◆テープの最初に録画されていた表敬訪問の後半部分
ビンラディン アブ・ダラ・アザム、彼の魂にアラーの祝福あれ。記録を残さないよう言った（内容不詳）ので、私はこれは吉兆だと思った。そして我々にアラーの祝福あれ（内容不詳）。アブ・アルハサン・アル（マズリ）が２、３日前、アルジャジーラ・テレビに登場して米国人に「本当の男だというならここに来て我々に立ち向かえ」（内容不詳）。
彼は１年前、私に「米国人とサッカーをする夢を見た。競技場に来た我々のチームは皆パイロットだった」と話した。「これはサッカーの試合なのか、パイロットゲームなのか、と不思議に思った。我々の選手はパイロットだった」とも話した。彼（アブ・アルハサン）はラジオで聞くまで作戦のことを知らなかった。彼は、試合は続き我々は彼らを破ったのだと言った。これは吉兆だったのだ。
長老 アラーに祝福あれ。
画面外の身元不詳の男 アブ・ド・アルラフマン・アル（ガムリ）は作戦の前に、飛行機が高いビルに衝突する啓示を受けたといっていた。作戦のことは何も知らなかったのに。
長老 アラーに祝福あれ。
◇「彼は殉教者になった」
スレイマン（アブ・グアイス） 私はシェイク（ビンラディン）と一緒にいて、別の部屋に行ったら、テレビであの大事件をやっていた。エジプトの家族が大喜びしているところも映していた。サッカーの試合で自分のチームが勝った時のような喜びようだった。
画面にはこんな説明が出ていた。「アルアクサ（昨年９月に始まったパレスチナの対イスラエル闘争の発祥地）の子供たちのための復しゅうとして、ウサマ・ビンラディンは米国に対抗する作戦を実行した」。シェイクのところに戻ると、彼は５０〜６０人の人々と一緒にいた。自分が見たことを言おうとしたら、彼は「知っている、知っている」と身ぶりで示した。
ビンラディン 彼は作戦のことを知らなかった。エジプトの家族（アルカイダのエジプト・グループ）から来たムハマド（アタ）が（実行の）指揮をとっていたことは（内容不詳）誰もが知っていたわけではない。
長老 飛行機が高いビルに衝突するというのは、誰も想像しなかった。偉大な成果だ。彼は組織の中でも信心深い男の一人だった。彼は殉教者になった。彼の魂にアラーの祝福あれ。
彼が見たビルに衝突した飛行機を、それ以前に見た者は一人だけではない。信仰深い善人の一人は、取るものもとりあえずここにやって来て、私に「啓示を受けた。自分は、巨大な飛行機に乗っていた。自分はその飛行機を肩に背負って、道路から砂漠に５００メートル歩いた。自分は飛行機を引きずっていた」と話した。
話を聞きながら私はアラーに彼を助けてくれるよう祈った。（同様な）話をもう一人が去年話していたが、意味が分からなかったので彼にそう言った。彼は「自分はジハードから去った人々を見た。彼らはワシントンとニューヨークにいた」と言った。私が「なんのことだ」と聞くと、飛行機がビルにぶつかったのだと話した。去年のことだ。
この話についてあまり考えたことはなかったが事件が起きた時、彼がやってきて「見ましたか。不思議だ」と言った。もう一人の男は、アラーに誓いながら、自分の妻があの事件を１週間前に見たと話していた。飛行機がビルに突っ込んだのを見たというのだ。信じられない、神よ。
ビンラディン 作戦を実行した兄弟たちは皆、自分たちの作戦が殉教者となるものであることを承知していた。彼らの一人一人に米国に行くよう頼んだが、彼らは作戦そのものの内容は知らなかった。だが彼らは訓練を受けていた。彼らが米国に着き飛行機に乗る直前まで作戦の内容は明かさなかった。
（内容不詳）そして彼はこう言った。「操縦訓練を受けた者たちは他の人間（実行犯）のことは知らない。（四つの）グループのメンバーはお互いのグループについて知らなかった」
我々はカンダハルにある兄弟の１人の護衛のキャンプにいた。この兄弟はグループの多数派に属していた。彼は私のそばにやってきて、米国の高いビルや、ムクタールが空手を教えている夢を見たといった。これを聞いて、誰もが夢を見始めれば秘密が漏れるかもしれないと心配になった。そこで、話を打ち切った。彼には、また夢を見ても誰にも話すな、皆が心配するから、と伝えた。
（別の声が、飛行機２機が大きなビルに突っ込む夢の話をしている）
ビンラディン 最初の飛行機が突っ込んだとき、彼らはとても喜んだので、私は「辛抱だ」と言った。最初の飛行機と２番目の飛行機がビルに突っ込んだ間隔は２０分間だった。最初の飛行機と、別の飛行機がペンタゴンに突っ込んだ間隔は１時間だった。
長老 彼ら（米国人）は、反乱が起きたのだと思って恐れおののいていたよ。
（アイマン・アルザワヒリが、メディアの報道にビンラディンが注意を払っていることを称賛し、米国人が、危険が間近に迫っているのを感じるのは初めてのことだ、と発言）
ビンラディン （詩を暗唱）私は見た、鋭い刃に立ち向かい／彼らが常に困難にあって団結するのを／暗黒がわれらを訪れわれらが／鋭いあぎとに捕らわれるのを、私は言う／「われらの母国は血にひたり独裁者／が自由にのし歩く」／そして戦場から消えたのは／刃の輝きと馬たち／そして、泣き声のかなたに／われらは鼓の音と旋律を聞く／彼らは独裁者の砦（とりで）を襲い／叫ぶ「われらは闘いを止（や）めない／お前たちがわれらの土地を解放するまで」
【訳・ワシントン和田浩明】
|
